介護報酬と介護保険制度の仕組み(医療保険との違い)

edit投稿日:2021年6月5日 cached最終更新日:2023年9月30日

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介護事業所にとって介護保険と介護報酬を理解することは、事業所運営の円滑化や利益を増やすことに直結します。

この記事では、介護保険制度や介護報酬の仕組み、加えて医療保険との違いや、医療と介護が混在するサービス関して解説していきます。

こんな人にオススメ
  • 介護保険制度の仕組みを理解したい
  • 医療保険との違いを知りたい

介護報酬と介護保険の仕組み・関係性

介護保険制度の仕組みと流れについて、図を使って解説します。

利用者の介護申請(下の図の①、②)

まず、利用者(第1号・第2号被保険者)が市町村に対して要支援・要介護認定を申請し、基準を満たしていれば要介護認定され、介護保険サービスを受けることができます。

地域包括支援センターの調整(下の図の③)

利用者から地域包括支援センターに介護サービスの利用の相談があれば、事業所、市町村の架け橋となり、利用者に適切な介護サービスを提供する受けることができます。

介護サービスの提供(下の図の④、⑤)

被保険者が利用する介護事業所が決まれば、介護サービスの提供が行われます。実際に介護サービスの提供が行われます。被保険者は個人の収入に合わせて介護費用の1割から3割の自己負担を行います。

★ここから介護事業所から介護費用の請求・支払いの方法

介護サービス費用の請求

介護事業所が利用者に介護保険サービスを実施すると、利用者負担以外の費用を国民健康保険団体連合会(以下、国保連)を介して市町村から支払われます。(下の図の⑧、⑨)

この支払いを受けるためには、介護事業所で実施した介護サービスをとりまとめて、国保連に請求しなければいけません。(下の図の⑥、⑦)

居宅支援の事業所の場合、請求には「給付管理票」と「居宅介護支援介護給付費明細書」が必要になります。それ以外のサービス提供事業所の場合は、「介護給付費請求書」と「介護給付費明細書」を作成します。

そして、それらのデータをインターネット経由もしくはCDにデータを保存して提出する必要があります。

介護保険請求の期限

国保連への介護保険請求は、サービス提供月の翌月10日までに国保連合会に請求する必要があります。ただし、同月に請求できなかった場合でも、「月遅れ請求」という形で2年以内であれば請求を行うことができます。

サービス提供事業所での請求の流れは以下の通りです。

※例:4月分の介護サービス費用を請求する場合

4月末まで 5月分サービス提供票の収集、サービス提供票の確認と利用予定票の作成
5月初旬 4月分の実績の作成 / 居宅介護支援事業所へ送付
5月10日まで 帳票類を作成し、国保連合会へ提出
6月末頃 国保連合会より支払いを受ける

※10日が土日祝だった場合は締め切り日が早まる可能性があるので注意が必要です。

 

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介護保険と医療保険の違い

介護保険と隣接する保険サービスとして、医療保険があります。一部では、介護と医療は似たようなサービスを提供することがありますが、保険の仕組みは異なります。また、ふたつの保険サービスは、同時に提供することも、利用することもできません。

医療保険制度の適用

まず医療保険は国民が支払っている国民健康保険から成り立っています。病気や怪我をしたときに、国民健康保険証を提示すれば、一部国の費用負担にて処置を受けることができます。

また、医師からの指示があった場合のみ、訪問看護や訪問リハビリの際も医療保険が適用される場合があります。

介護保険制度の適用

介護保険は介護保険制度から成り立っています。要支援・要介護と認定された人に対して介護サービスを行った際の費用を国が一部負担してくれます。

はじめにも記載の通り、医療保険と介護保険は同時に利用することはできません。基本的には要介護認定を受けている場合は介護保険が適用となります。

ただし、要介護認定を受けている場合でも、厚生労働省が定めた特定疾患に罹患している場合には、医療保険の利用が認められています。

医療と介護が混在するサービスの算定

訪問看護での介護保険適用と医療保険適用

在宅介護で医学的な処置(点滴やドレーン管理など)を行う場合、訪問看護のサポートが必要です。

医学的な処置にあたるため、医療保険の対象と思われるかもしれませんが、それは介護保険の対象とならない40歳未満で、要介護者の場合は介護保険が適用されます。(※要介護者で介護保険の支給限度額を超えた利用者の場合も医療保険が適用されます)

訪問リハビリでの介護保険適用と医療保険適用

訪問リハも訪問看護と同様、要介護認定を受けていない人が利用する場合、医療保険が適応されます。

介護保険で訪問リハビリを利用する場合は3か月に1度、医師からのリハビリ処方箋が必要です。また、医療保険で利用する場合にも毎月1回、リハビリ処方箋が必要となります。

リハビリを行うにあたり、リハビリテーション実施計画書にて毎月のリハビリテーションの効果を判定し、リハビリプランの見直しを行います。

このように、介護場面でも医療行為が必要な場合も多くあります。認知症により介護だけでなく医療ニーズのある対象者に対して医療行為を行った場合には医療連携体制加算を算定することができます。医療行為の必要度と施設基準によって(Ⅰ)-(Ⅲ)まで設けられており、状況に応じて加算することができます。

まとめ

ここまで、介護報酬と介護保険の仕組みと、医療保険との違いについて解説しました。最後にこの記事のポイントをまとめましたので、ご活用ください。

筆者
  • ポイント①:介護保険と介護報酬の仕組みを理解することが重要
  • ポイント②:医療保険との混在サービスがあるため注意する
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